リング 貞子 原作

映画ニュース 2018/1/26 6:30 「リング」原作者・鈴木光司が明かす、貞子の呪いから解かれる唯一の方法とは? リングとは1998年より作家鈴木光司が出版した小説を映像化した映画作品。この作品はジャパニーズホラーのブームの火付け役となった。主演は松嶋菜々子、真田広之。主人公・浅川玲子が元夫の高山竜司と共に「一度見たら死ぬ」という呪いのビデオを見てしまう。 1990年の横溝正史賞 (現・横溝正史ミステリ大賞) に応募され、翌年角川書店から出版された。当初部数はそれほど伸びなかったのだが、1992年の『このミステリーがすごい!』で国内14位を攫い、文庫化・『らせん』の発表を経て大ベストセラーとなった。 本作は増殖する恐怖というかつての "不幸の手紙" を連想させるホラー小説であり、"呪い" を解く為の方法、そしてその出自を探ってゆくミステリ小説としても読める。さらに物語が進むにつれて、生物学用語を鏤めたバイオホラーへと様変わりし、完結篇 … ハリウッドリメイクもひと段落、『リング』からも15年近くの年月が経過した中で発表されたのが、2012年の『貞子3d』と2013年の『貞子3d2』です。 山村 貞子(やまむら さだこ)は、鈴木光司の小説およびその映像化作品『リング』シリーズに登場する架空の人物。超能力者。, 劇中に登場した時点では既に故人であったという設定だが、現世に未練や恨みを残し、見た者を呪い殺す「呪いのビデオ」を発端として災禍を巻き起こす。また続編では現世への復活を遂げるなど、シリーズを通しての元凶として登場する。原作の描写によれば、色白黒髪で長身華奢、大人びた顔立ちの美女である一方、半陰陽者という身体的特徴を持つという設定である。ただし貞子の設定はメディアごとに異なっており、貞子を有名にした1998年の映画版『リング』では、白のワンピースに長い前髪で顔を覆い隠した女性として登場し、終盤ではテレビから這い出てくる恐ろしげな怪物として描かれた。, 登場人物としての初出はシリーズ第1作として1991年に出版された鈴木光司のホラー小説『リング』である。同作は、主人公・浅川和行が親戚の不審死に疑問を抱いたことをきっかけに、友人の高山竜司と共に、映像を見た者を7日後に呪い殺すとされる「呪いのビデオ」の来歴に迫っていくという筋立てになっており、物語中盤で「呪いのビデオ」を作成した人物として超能力者「山村貞子」の名が浮上する。浅川と高山は貞子の詳細な経歴を調べ、この世に恨みを抱いて死んだ貞子が怨念となってビデオを念写したという結論に至り、古井戸に遺棄されていた遺体を供養することで事件の解決を試みるが、試みは成功せず、高山は貞子に呪い殺されて死亡する。, 原作小説『リング』における貞子は一連の事件の元凶ではあるものの、作中には直接登場しない人物として描かれ、物語のクライマックスでも高山は「ヒタヒタと近づきつつあった」漠然とした死の気配に恐怖しつつ、鏡に映る腐乱した「百年先の自分の姿」を幻視して死亡するという描写になっている[1]。一方、後に制作された1998年の映画版『リング』では、胸元まで伸びた長い前髪で顔を隠した女性のイメージとして幾度か映像に登場し、クライマックスでは貞子自身が鏡ではなく、テレビに映った「呪いのビデオ」の映像の中から前髪を振り乱しながら這い出て、直接高山の自室に現れるという映画版独自の描写がなされた[2]。恐怖にすくむ高山へと奇怪な動きでにじり寄り、前髪の間から片目のみを覗かせ、白目を剥いた凄惨な形相で彼を睨み殺すこの場面は、映画の中でも特に衝撃的な場面として描かれており[3]、後のリメイク映画でも踏襲されたほか、様々なパロディも作られた[4][5]。映画版のクライマックスにおける描写は日本国外でもよく知られており[6]、この演出は貞子の存在を原作小説や映画から独り立ちさせてしまうほどの成功を収めた[2]。貞子は当時を代表するホラーヒロインとなり[7]、その後も人々の記憶に[8][5]、ひいては映画史に名を残すような登場人物となった[5][2]。, 原作小説の第2作である小説『らせん』は、高山の司法解剖に立ち会った新たな主人公・安藤満男が、貞子の呪いが人体にどのように作用して死をもたらすのかという原理を、医学的な見地から探っていく内容である[2]。安藤は呪いの正体が、映像を見た者に感染し心臓に作用する「リングウィルス」であることを突き止めるものの、貞子は同作でも黒幕的な立場で暗躍し、物語半ばで現世への復活を果たす。物語は貞子の勝利で締め括られ、貞子の呪いが「呪いのビデオ」のみならず、小説や映画といったメディアを通して世界へと広まっていくという絶望的な未来が提示される。, 原作小説の3部作の最終作となるSF小説『ループ』における貞子は、主人公の二見馨が近未来の世界に蔓延している「転移性ヒトガンウィルス」の謎に迫っていく過程で、環境シミュレーター上に蔓延する、コンピュータウイルスによって変異した仮想生命体「ヤマムラサダコ」として登場する。同作では、前2作の世界が環境シミュレーター内に再現された仮想世界であることが明かされ、人類は貞子に対抗する手段を得ることになる。その後発表された外伝作品『バースデイ』は短編小説集となっており、収録作品のうち「空に浮かぶ棺」では『らせん』における貞子復活の詳細が、「レモンハート」ではかつて貞子に想いを寄せていた男性・遠山博の回想を通して生前の貞子の姿が描かれ、「ハッピー・バースデイ」では『ループ』後における貞子の末路が描かれている。原作小説のリングシリーズは3部作と『バースデイ』でいったんの完結を迎えるものの[2]、2012年からはシリーズが再開し、小説『エス』『タイド』にも貞子が登場している[2]。, このほか関連作品として、『リング』シリーズを原作とする映画やテレビドラマや日本国外向けの翻案作品のほか、『らせん』とは別の未来を描いた映画オリジナル作品『リング2』『ザ・リング2』など、原作の設定を下敷きにしつつも独自の物語が描かれた複数の派生作品が作られている。映画『リング0 バースデイ』は「レモンハート」を元にしつつも貞子の視点で独自の物語が描かれ、連続ドラマ『リング〜最終章〜』『らせん』では原作とは異なる設定の物語が描かれているなど、貞子の設定にも作品ごとに差異がある。, 2016年の夏には、『リング』シリーズと同様に「Jホラー」の人気シリーズ『呪怨』に登場する「伽椰子」と「悪夢の“ 恐 ”演」を果たすスピンオフ最新作『貞子vs伽椰子』が公開された。, 生前の貞子は念写や予知といった超能力を使うことができたとされるほか、作中では以下のような能力を用いている。, 作中に登場する、観たものは1週間(7日)後に死ぬとされる呪いのビデオ映像。貞子の怨念がビデオテープに念写されたもので、呪いのビデオを見たものは、後述のリングウィルスに感染する。原作では単に「ビデオ」「ビデオテープ」と呼ばれているが[注釈 1]、映画版では「呪いのビデオ」という呼び名で都市伝説化している設定で描かれている[2]。, 原作では映像の内容についても繰り返し詳しく描写されている。ビデオを最後まで見るよう強要する文字メッセージに続き、貞子の故郷である伊豆大島の三原山とその噴火に関する抽象的・具体的な映像、超能力実験に関連した念写による「山」の文字と、繰り返し特定の目を示し続けるサイコロの映像(超能力実験に関連している)、老婆が語る伊豆大島の古い方言で「水遊びばかりしていると化け物が来る」「お前は来年に子供を産む」という意味のメッセージ、超能力実験を非難する大勢の人々や、「貞」の文字が出てくる古いテレビを用いた念写実験、生まれたばかりの赤ん坊のイメージ、貞子が殺害される間際に見た光景・肩から血を流し迫る男の顔、そして最後に、映像を見た者が1週間後に死ぬことを警告するメッセージで締め括られるという構成となっている。映像の長さはトータルで20分程度[11]、各場面はそれぞれ32秒〜186秒の長さになっている[12]。映像には抽象的なものと写実的なものの2種類があり、このうち写実的な映像は貞子の瞳を通したことに由来するまばたきが入っている[13]。作中に登場するビデオの末尾は蚊取線香のテレビCM[注釈 2]で上書きされているが、当初は見た者に対して、「死にたくなければビデオをダビングし、まだ見ていない他者に見せる」よう強要する旨のメッセージが入っていたとされる[15]。, 各種映像化作品では、呪いのビデオの内容にも独自に変更が加えられており、様々な呪いのビデオが映像化されている。1998年の映画版では、映像は井戸に突き落とされた貞子の視点による、丸く縁どられた外界を見上げた光景から始まるが、これを踏襲するアメリカ映画『ザ・リング』ではこの光景が作品タイトル「リング(輪)」に込められた意味のひとつとして解釈されている[16]。また、いずれの映画でもビデオの映像は井戸を外から見た、映画版独自の映像で締め括られているが、1週間後の期限を過ぎるとこの映像の後には貞子が井戸から這い出てくる場面が追加され、映像内の貞子が画面手前に向かってゆっくりと歩み寄り、画面を突きぬけるようにして現実世界へと出現するという演出がされている。また、1999年の連続ドラマ『リング〜最終章〜』での呪いのビデオは、ミュージック・ビデオの映像に混信したノイズという形の映像で描かれた。, 原作『らせん』では、「呪いのビデオ」の内容を描写した文章を読んだ者にも、映像を直接見たのと同様の呪いがもたらされるという設定が描かれた。また、鈴木光司によって出版された現実の小説『リング』と、作中で浅川順一郎によって出版された、映像と同様の効果があるとされる劇中小説『リング』は、「呪いのビデオ」の映像について描写した文章が一字一句同じになっており[17]、現実の読者に対して、この文章を読んだあなたは既に貞子の呪いにかかっていると暗示するかのような体裁となっている[18]。原作がブームだった当時の読者の中には小説の内容を真に受け、出版社に「妊娠中に『らせん』を読んでしまったのだが病院へ行った方がよいだろうか?」という相談の電話をかける者まで現れたという[19]。, ビデオを見た直後には正体不明の無言電話がかかってくることがある。原作では電話がかかってくる条件が曖昧にされているが、1998年の映画版では、電話がかかってくるのは貞子の遺体が遺棄されている場所から近い場合に限定されており[20]、このことが謎解きのヒントにもなった。原作『ループ』では、無言電話がかかってきた電話機や、「呪いのビデオ」を再生中のビデオデッキの周辺には、僅かな空間の歪みが生じるという設定が描かれており[21]、「呪いのビデオ」を再生しながら映像中のサイコロの目の通りの番号に電話をかけることで、世界を創造した上位存在と対話を試みることができるとされる[22]。, リングウィルス(Ring Virus)[注釈 3]は、呪いのビデオを見た者に感染する架空のウイルスで、天然痘ウイルスに似た塩基配列を持つウイルスと設定されている。感染した者がウイルスの増殖に手を貸さなかった場合、感染から1週間後の同時刻(=168時間後)に心臓周辺の冠状動脈に肉腫を発生させ心筋梗塞を誘発する。発作を起こしたものは喉の渇きに襲われ、頭を掻き毟りながら何か(高山竜司は鏡で百年先の変わり果てた自分を見た)に驚いたような表情で死亡する[25]。, リングウィルスという名は、作中において安藤満男と宮下によって命名された[26]。形状は天然痘ウイルスと大きく異なり[23]、精子の頭部と尾部がリング状に繋がったような姿となっており[27]、実際に貞子の遺伝子情報を保持している[28]。感染者が排卵日の女性の場合、あるいはウイルスの進化と増殖に手を貸した男性の場合には、リングが解けて精子状になる。女性の場合、体内に侵入したウイルスは心臓へは向かわずに子宮へ侵入し卵子に受精、感染者の子宮を用いて「貞子」を再生する。一方で男性の場合には、ウイルスは脳へと向かって感染者を操り、「呪いのビデオ」と同じ効果のある文章を書かせることになる[29]。, リングウィルスの塩基配列のうち、7割は天然痘に由来するもので、残りの3割が貞子の情報である[30][28]。ウイルスは人間の精子よりもはるかに小さいため、貞子の遺伝子情報は数十万のパーツに分割されており、それぞれ微妙に塩基配列の異なる個々のウイルスによって保持されていると設定されている[28]。, 1998年の映画版『リング』やそのリメイク作品では、リングウィルスの感染者は、写真や映像に撮られるとその顔が歪んで映るという描写が付け加えられた。また同年の映画版『らせん』では、リングウィルスは性行為でも感染するという設定になっており、またビデオの映像と派生メディアの小説を読んだ場合とでは死因が異なり、後者は激しく咳き込んだ後に窒息死するという設定になっている。, 生前の貞子は、身体的特徴は女性であるが生物学的には男性であるという睾丸性女性化症候群であり、子供を産むことができない身体であった[31][32]。しかし復活後の貞子は、他の女性を媒体に、あるいは自分だけでも増殖が可能という、全く新しい形の人類へと進化することとなった。, リングウィルスに感染したことにより貞子を妊娠した女性は、受精から1週間で臨月に至り、貞子を出産する[33][34]。さらに、赤子として産み落とされた貞子は1週間程度で成人へと成長する[35]。この生まれた貞子は単なるクローン再生ではなく、生前の記憶を保持している。また、リングウィルスに感染した女性を媒体として現世への復活を果たした貞子は、半陰陽者として完全な両性の生殖能力を持っており、自らの精子を自らの卵子に受精させることで、自分で自分のクローンを出産することができる。, 原作では、リングウィルスを通じて再生した貞子はオリジナルの山村貞子本人の姿で復活する。一方、映画および連続ドラマ版の『らせん』では、貞子の記憶を持ちながらも、貞子を妊娠し出産した女性の容姿をコピーして復活するという設定で描かれた。, 転移性ヒトガンウィルス(Metastic Human Cancer Virus[36])[注釈 3]は、原作『ループ』に登場する、近未来世界に蔓延している架空のウィルスである。環境シミュレーター「ループ」から現実世界へと持ち込まれたリングウィルスが変異したもので[37]、発症すると悪性腫瘍を生じ、短期間で全身へと転移を起こすため、完治することはないとされる[36]。当初は普通のガンの一種と見なされていたが、K大学医学部[注釈 4]によって新種のウイルスであることが突き止められたと設定されている[36]。, 設定では、レトロウイルスの一種であるとされ、体液を介して接触感染するという性質や、細胞を乗っ取る過程はエイズウイルスに似ていると言及されている[36]。p53遺伝子に変異を起こさせ、DNAのテロメア領域を書き換える性質を持つ[38]。遺伝子の塩基配列にはリングウィルスとの無視できない類似性が見られると設定されている[39][40]。9個の遺伝子はすべて塩基数が2nの3倍の値となっているが、これはコンピューターが二進法を用いることに関係しており、転移性ヒトガンウィルスの出自がコンピュータウイルスであることに由来している[37]。, 原作中では幾度か、呪いのビデオがもたらす怪異に触れた者や、貞子に遭遇した者が、柑橘類あるいはレモンの香りを嗅ぎ取ったという描写が登場している[41][42]。また貞子の母である山村志津子も生前、予知の能力が働く時には決まって柑橘系の香りを感じたと話していたと描写されている[43]。, このほか復活直後の貞子と遭遇した安藤満男は、香水とは異なる、血のような異臭を嗅ぎ取ったと描写されている[44]。, 山村貞子が生きる世界は、実は現実世界の様々なシミュレーションを行うために、巨大なコンピュータ内に現実と同じ条件をプログラムして作られた、「ループ」と呼ばれる仮想の地球であり、貞子、浅川や高山ら登場する人物はコンピュータ上に生きる人間のプログラムとして登場する。この設定は『リング』『らせん』では明らかにされておらず、原作最終巻『ループ』にて初めて読者に明かされた。, 仮想世界内の「ヤマムラサダコ」が特殊な力を持った詳細な経緯は不明とされる。作中では最も有力な仮説として、防御を掻い潜って回線から侵入したコンピュータウイルスの仕業であるという説が挙げられているが[45][46][47]、それが何者によって作成されたものであるのかは明かされていない。, シリーズ第1作『リング』は、主人公らが「呪いのビデオ」を生み出した人物である貞子の足取りを追っていく物語となっており、その中で生前の貞子の経歴が徐々に明かされていく。, 殺された貞子の怨念は成仏することなく残り、人類に根絶させられた感染症である天然痘の怨念と融合し、怨念の拡散による無差別攻撃を開始する。, 1990年8月26日の20時頃[10]、貞子の怨念は、死体が遺棄された井戸の上に建てられた南箱根パシフィックランド[注釈 5]の宿泊施設、ビラ・ロックキャビンB-4号棟に設置されて間もないVHS規格のビデオデッキを介して念写され、観た者を「リングウィルス」に感染させる「呪いのビデオ」を生み出すことになる。ビデオのダビングは、絶滅させられたウイルスに増殖の機会を再度与えることを意味し、作中において浅川和行はこれを、天然痘ウイルスの怨念による人類への逆襲であると解釈している[65]。, なお作中では、録画に用いられたビデオテープの出自についても触れられている。テープは宿泊客の子供が、この時間帯にNHK大河ドラマ[注釈 6]の裏番組として放送されていた民放のお笑い番組を録画しようとして持ち込んだものであるとされ[10]、原作ではこの子供はテープを置き忘れて帰宅したために死を免れるが、映画版『リング』では死んだという都市伝説が広まっていると言及されている。, 1990年8月29日[66]に最初にビデオを見たB-4号棟の宿泊客4名の若者が悪戯でビデオの一部を上書きしてしまったため、リングウィルスの遺伝情報は不完全になり、ビデオテープの複製による伝染計画は少数の犠牲者を出した時点で頓挫した。しかし、それは単なる不完全化には止まらない突然変異であった。突然変異により、生存の条件は単なる「ビデオのダビング」ではなく、「ビデオを別の媒体へ転換すること」となった。『リング』の主人公である雑誌記者・浅川和行はビデオを見たにも関わらず生存するが、これは浅川和行がダビングを行ったためではなく、彼が事件の全貌を記事にしていたからであった。その後浅川和行は事故死するが、彼の兄の浅川順一郎は、和行の残した記事を『リング』の書名で小説化し、この結果リングウィルスは「読むと感染する書籍」という新しい形で、出版によって世に流布しようとする。, 一方、浅川に協力するためにビデオを見た高山竜司は呪いを解くことができずに1990年10月19日[59]に死亡するが、高山の教え子であった高野舞は、1990年11月1日[59]に高山の遺品であるビデオテープを不用意に見てしまったためにリングウィルスに感染する。貞子は舞の胎内で再生し、舞の精神を乗っ取った後、その1週間後[33]の11月8日に現世への復活を果たす。やがて浅川順一郎の出版した「リング」が映画化されることになり、劇団経験のある貞子は、主人公の一般公募に応募し主役の座を射止める。貞子は映画に自分の遺伝子情報を念写した(すなわちリングウィルスを仕込んだ)ため、作品を鑑賞することは初期の呪いのビデオを見るのと同じ効果となった。なお、復活した際に出会った安藤満男には自分のことを舞の姉、高野真砂子(たかの まさこ)と偽り、正体を隠して接触し、彼の行動を監視していた。, 以後リングウィルスは、小説だけでなく、これを扱った映画や音楽、ゲーム、あるいはインターネットなど、浅川順一郎の出版した「リング」を扱った様々なメディアや作品へと変異した[67][68]。これらは見た者すべてにリングウィルスを感染させる。, 再生の際に新しいタイプの人類として進化し、自分のみで増殖する能力を得た貞子は、無限に自らのクローンを増殖させ、ついには世界中の人類を「貞子」のみに駆逐することとなった。このことは、第三部「ループ」において、人工世界「ループ」内の生命が全て山村貞子1人だけの遺伝子に収斂する現象として観察された。, 一方、1990年10月19日[59]にリングウィルスによって死亡した高山竜司は、死の直前に自分がいる世界が仮想現実であることに気付いていた。その際、高山は仮想現実「ループ」の責任者クリストフ・エリオットに現実世界への復活を求め[22]、これが了承されたことによって二見馨という人物として復活を果たす。だが、その過程で高山が感染していたリングウィルスが現実世界に持ち込まれてしまい、「転移性ヒトガンウィルス」として現実世界の人類を脅かし始める。やがて、二見=高山は自分が現実世界にて復活する際にリングウィルスを持ち込んでしまったと同時に、自分の身体がこのウィルスへの完全な抗体を偶然に完成させたことを知ると、リングウィルスを駆除する方法を入手してループ内に再び戻る。このウィルスが蔓延する直前の時期に帰還した高山がただちにワクチンを作成してリングウィルスを無効化したことにより、ついに呪いは解除された。, 後日談「ハッピー・バースデイ」では、貞子の末路について触れられている。高山はループ内に増殖していたクローン貞子を急激に老化させて死亡させる新ウィルスを自分の身体を犠牲にして開発したため、貞子は滅ぼされてループ内は救われる。そして、現実世界でも高山の抗体情報を元にワクチンが作成され、人類は滅亡から救われた。, 作中では幾度か貞子の容姿や人柄について描写されている。生前の貞子の写真を見た吉野賢三はその姿を、今まで見たことがないような美人であると形容した[69]。生前の貞子と交際していた遠山博は、少女らしいあどけなさと時折垣間見せる艶かしさを併せ持った人物として彼女を回想している[70][71]。一方で遠山と同様に劇団員時代の貞子を知る有馬真は、大人しく、あまり仲間と交わろうとせず、不気味な印象であったと述懐している[72]。復活後の貞子と遭遇した安藤満男によれば、身長は160センチメートル弱、髪は背中の中ほどまで伸び、手の爪は割れており、ふくらはぎには紫色の痣がある[44]。鼻梁は細く長く、若干つり目で二重瞼、声は低いが魅力的な響きがあったという[73]。上位世界から貞子を観察した杉浦礼子は、顔立ちは完璧に整っているとしつつも、薄い唇からは薄情な印象を読み取っている[74]。なお、リングウィルスに感染した者が貞子に操られて書いた文章は、あたかも自画像を客観的に描くことが難しいように、貞子の外見的特徴を適切に言い表せていないと設定されている[75][29]。, 原作の短編「レモンハート」では、舞台女優をしていた生前の貞子が初舞台の前日のゲネプロ(通し稽古)で、傍目にも可哀想なほどに緊張していたという言及がある[76]。原作『らせん』において現世への復活を果たした貞子は、正体を偽って安藤満男とデートした際に、お気に入りの映画を見ながら登場人物になりきって台詞を真似たり[77]、雑誌を平然と万引きしたりと[78]、天真爛漫な振る舞いも見せている。なお、このとき貞子と安藤が見た映画は、作中の描写などから1990年のフランス映画『ニキータ』であると言われている[79]。, 原作における生前の貞子は、女優としての永遠の若さを渇望していた[80]。貞子は自身が「呪いのビデオ」や「リングウィルス」を生み出した経緯を、自分が井戸の底で朽ちていく前に、自身の遺伝情報を何らかの形でこの世に残したいと願った結果であると語っており、復活に成功した際には自分の想像を超えた結果に面食らったとも述べている[81]。なお、原作と映画版などの映像化作品では、貞子が「呪いのビデオ」を生み出した動機に差異があり[82]、例えば映画版『らせん』における貞子はこれを、自分が井戸の底で味わった死の恐怖を不特定多数の人々に知らしめたかったためであると説明している[83]。, 1995年と1999年のドラマ版、1998年の映画版とその続編およびリメイク作品など、多くの映像化作品において貞子は白ずくめの衣装で登場する。1998年の映画版では、白いドレス姿があたかも日本の幽霊の死に装束のように描写された[3]。一方、貞子がこうした白い服を着ているのは映像化作品でのみ見られる描写である。原作『リング』における貞子は、長尾城太郎に殺害される直前にはグレーのスカートを身に着けており[84]、『らせん』および「レモンハート」で復活を果たした際に安藤や遠山の元に現れた貞子はライムグリーンのワンピースを着ており[85][86][87]、その後安藤と再会した際には水玉模様のスカートに生足という出で立ちであったと描写されている[88]。, 原作において白一色の衣装で登場するのは初登場時の高野舞であるが[89]、映画版の舞は黒い服で登場する。映画版『らせん』の貞子は、復活後は高野舞の容姿をコピーして現れるが、このときの貞子は以前の舞とは一変して派手な衣装で登場するという演出がされており[89]、赤い柄物の衣装を着ている。1999年の連続ドラマ『リング〜最終章〜』では貞子も舞も白い衣装で登場する。, 映画は1998年に『リング』と『らせん』が、概ね原作小説に準拠したストーリー・設定で2作同時公開された[注釈 7]。これとは別に『らせん』とは異なる『リング』の続編として、映画オリジナルの展開を描いた1999年の映画『リング2』も作られた。その後、短編「レモンハート」を基に、原作にはない設定も加えた映画オリジナルのストーリーによる2000年の映画『リング0 バースデイ』が作られた。, 『リング』シリーズを映画化した作品はすべてホラー映画として作られており、貞子は原作よりもさらに怪物的に描かれている。原作にはない設定・エピソードとしては、『リング』では、志津子の公開実験の際に記者を変死させており、さらに呪いのビデオを見て1週間の期限が来た者の前に直接出現し、長髪を振り乱し狂った目を剥いて襲ってくる化け物(素顔は不明)といった演出で描かれていた。ビデオを見た直後には井戸のあるペンションでのみビデオのリール音のような音の正体不明の無言電話がかかってくる。呪いのビデオを見た人間の前に貞子は時折姿を見せる。見た人間の写真は顔が歪んで写る。高山竜司の超能力で山村敬の記憶を読み取った志津子の公開実験を見た浅川玲子の腕を子供時代の貞子が掴み痣を残した。呪いのビデオの死因にリングウィルスは関係せず、ただの呪いとして描写。映画では、長尾城太郎は登場せず、貞子を殺害するのは父親の伊熊平八郎の役割となっている。また、原作では端役であった山村敬が金儲けのために志津子を利用する間接的な元凶として描写される。, 『リング2』では井戸の中で30年近く生きていたという設定が加わっている。また、遺骨の頭蓋骨を粘土で復元した顔(山村敬曰く、不気味な顔。写真を撮る際、フラッシュで別の表情に変貌したりする。)で登場する。前作でも断片的に語られた呪殺した人間の姿(大石智子や沢口香苗など)を借りる能力もある。高山竜司は高野舞や浅川陽一を助ける守護霊的存在として登場する。ビデオを見てなくても貞子の姿を見た者(倉橋雅美)や、死を免れた浅川陽一[注釈 8]はテレビを極端に恐れ貞子の超能力が乗り移ったかのような描写(心霊写真に写る白布の男・急に上がる水の浸透率・テレビに突如映る井戸から現れる貞子の映像など)を見せ、川尻医師の実験でビデオテープに念写による録画をすると呪いのビデオが再生される。また、高野舞や浅川陽一など関係者の前には時折姿を見せる。同じ映像を繰り返し反復させる能力も持つ。山村家所有のプールをあの世(地獄)に変え、落ちた者を井戸に引きずりこもうとする。, 『リング0 バースデイ』では、原作では父親である伊熊平八郎が、自分は貞子の父親ではないと語り、海から現れた異形の怪物がそれであるかのように映画では描かれた[注釈 9]。また幼少時に貞子は2人に分裂し、一方は志津子に似た普通の子供で、もう一方は本物の父親に似た化け物じみた邪悪な存在であったため、伊熊は後者を隔離し薬漬けにして成長を止め、自分の家の2階に幽閉したといったエピソードが加わっている。人間の貞子も治癒能力や不確定な予知能力・霊能力などの超能力を持つ。化物の貞子に呪殺される前触れとして犠牲者が朽ちた家や井戸の夢を見る描写がある。人間の貞子が「劇団飛翔」の団員達にリンチを受け殺害された後、化物の貞子と融合し復活後、恋人の遠山博を含む団員達を殺害した。, 『らせん』では『リング』と異なる恐怖の存在であり、素顔を見せ、淫靡で蠱惑的な魔性の女として描かれている。性行為の際、相手の男性の顎を舐める癖がある。復活時には受胎した高野舞の姿で復活する。高山竜司と結託している点は同様。こちらでも超能力などを使える描写がある。安藤孝則・高山竜司を出産するが、もとが半陰陽者(睾丸性女性化症候群)ではないため、どのような身体のメカニズムかは不明。また、呪いのビデオを見るのが高野舞ではなく安藤満男となっており、彼との肉体関係を介して舞がリングウィルスに感染する手順となっている。呪いのビデオを見たり派生メディアに関連した者が井戸の夢を見るようになる。原作のリングウィルスや自己増殖の設定もアレンジされ存在する。両作共通して井戸が欠けているが、先にそういう描写に設定したのが『らせん』である。, 貞子のキャラクターを有名にしたのが1998年の映画版におけるクライマックスの場面、突然に点灯したテレビの映像の中で井戸の中から現れ、不自然な歩き方でにじり寄ってきた貞子が、ブラウン管から這い出て、生々しい実体を伴って高山竜司の部屋に現れ、恐ろしい形相で高山を睨みつけて呪い殺す場面である。, 貞子がテレビから這い出てくる場面の前後は、貞子の動きを奇怪なものに見せることを意図して、逆回転で撮影されている[91][92][注釈 10]。すなわち貞子役を演じる女優の伊野尾理枝はテレビの前でしゃがみ、カメラから井戸に向かって後ろ歩きで遠ざかる演技をしているのであり、映画の観客はそれを逆再生で見ているのである[91]。貞子が高山を睨みつける場面は、顔全体は見せずに目元だけを大写しにする演出がされているが[3]、この場面は俳優ではなく助監督の宮崎紀彦が演じており[93]、人間らしく見えないことを意図してまつげを切り落とし[93]、上下を逆にしている。男性の目を使うという演出は当初からの予定ではなく、元々は女優が演じる予定だったものの、「まつげを切られては他の仕事ができない」と断られたため、助監督が演じたという逸話がある[93]。, 「呪いのビデオ」に関連する場面や、貞子がテレビから這い出てくる場面で流れる、何かが軋るような甲高い音は、映写機のリールが回転する音をイメージしたものである[94]。楽曲を担当した川井憲次はこの音を、バイオリンの弦を折れるほどに強く張った弓で乱暴に引っ掻くという技法で再現している[95]。, 1998年の映画版とその関連作品では、原作の設定をある程度踏襲しつつも、経歴の年代などが変更されている。, 以前の『リング』シリーズ同様怪物として描写されるが、『貞子3D』は『らせん』で登場した安藤孝則が青年で登場するため、作品世界は『リング2』以降とは別のパラレルワールドであり、貞子自身も『らせん』や『リング0 バースデイ』の時とは異なる人間としての素顔を見せている。また、「呪いの動画」を見た犠牲者が貞子のような髪型に変貌したり貞子の使い魔になる描写がある。, 現世に出現するための媒介として柏田清司という男性に協力させ、ニコニコ動画上の「呪いの動画」を通じて現世に出現する。「呪いの動画」は初めは存在しないページとして表示されるが、後に柏田の首吊り自殺場面に切り替わり、貞子が画面から飛び出して襲いかかる。「呪いの動画」の被害者は心臓発作ではなく貞子に襲われた状況で不可解な自殺を遂げる。パソコン・携帯電話・スマートフォン以外にも画面のある場所にはいずれも出現可能。柏田は行方不明になる前、貞子の現世の肉体となる女性たちを誘拐しては井戸に突き落としており、それによって成り損ないの「異形の貞子」と化した彼女たちは貞子の世界へ侵入した者に襲いかかる。「異形の貞子」は蜘蛛のような長い手足を持ち、相手に食らいついてくる。茜の超能力以外にも鉄パイプなどの物理攻撃も有効で消滅の際は柏田の部屋の壁にもいた黒い蝶の大群に変化する。また、貞子は現世の肉体となる女性として超能力者の鮎川茜を狙う。孝則を人質にして一度は茜の肉体を乗っ取ったが、「呪いの動画」の根源になるスマートフォンが井戸のある廃墟のビルに存在しており安藤孝則に破壊され貞子も消滅した。, 続編『貞子3D2』では、貞子の子が広めたパソコンや携帯電話・スマートフォンの画面を暗転させる新たな「呪いの動画」が世界に出回っており、ついでに安藤との間に娘の凪をもうけて死亡したと思われるも実は昏睡状態で生きていた茜を狙う。茜と凪の再会によってそれが叶う寸前、茜を貞子の被害者(妻を殺された警視庁刑事・垣内貢)に殺害されたため、母を失った悲しみで暴走する凪を狙うが、安藤の妹の楓子に凪を救出されたため、赤い水の彼方へ消え去る。しかし、前作での犯罪によって絞首刑に処せられる柏田の言葉通り、街には凪の後ろ姿に似た貞子の分身の女性(少女)(貞子の子)たちが溢れ、死の連鎖は終わらないことが示唆される。故に貞子の出番は少ない。貞子の出現の際には井戸が現れ血のような赤い水が溢れ出す。「呪いの動画」の被害者は貞子に肉体を操られ不可解な自殺を遂げたり精神に異常をきたす。, 容姿などは『リング』シリーズに準じているが、『呪怨』シリーズとのクロスオーバー作品という都合上、設定はアレンジされている。限られた尺で『呪怨』シリーズの要素も描かなければならないうえ、物語終盤で貞子と伽椰子の直接対決を実現させるためにも、呪いのビデオを見た者が死亡するまでの時間は2日間(48時間)へ短縮されており、描かれるのは「呪いのビデオを見ると電話がかかってきて、その2日後には死亡する」だけという、貞子の出生やその他の出来事を省略した設定となっている。, 呪いのビデオは1990年代の有名な都市伝説という設定であるが、内容は所在地不明の廃墟の家の内部が映るだけ(家のドアが徐々に開き、貞子がその姿を現す)など変更されている。呪いの回避方法は「ビデオを他人に渡す」といった噂(実際の効果はない)があるが、「ダビングして見せる」という手段は存在しない。ビデオを見た直後には、正体不明の無言電話がかかってくる。呪いのビデオはリサイクルショップでビデオデッキごと中古で販売されていた。リサイクルショップの店員・小林恵子も見ており不可解な自殺を遂げる。貞子本人も時には姿を現すうえ、映画『リング』以来のテレビから這い出て直接出現するシーンがある。貞子はビデオを見た人間に憑依しており、期限前に自殺しようとした人間も呪殺する。また、霊媒師などを使って除霊しようとすると、他の人間を操って呪殺する。呪殺方法は心臓発作ではなく、ありえない方法による自殺など。戦闘の際には頭髪による攻撃を多用し、俊雄をテレビに引きずり込んだりする。貞子を封印するための井戸(井戸の役割も変更されている)も、伽椰子の家(「呪いの家」)の裏の林に存在する。, 伽椰子との相殺を目論まれたうえでの直接対決の末、最終的には彼女と融合して異形の怪物、両者の特徴を持った幽霊に変貌。それに伴って、呪いのビデオの映像に登場する貞子もそれに変わっている。, 『リング2』の直接的な続編で、これまで通り怪物として描かれるが、本作では呪いの拡散を目的としておらず、肉体の復活を目的としている。 映画『リング0 バースデイ』では貞子の悲しい生前の物語だったが、原作である「レモンハート」は、映画で儚いイメージを見せた貞子とは異なり、ミステリアスなキャリアウーマン(?)として描かれていて … 公開日 : 2017年7月17日 / 更新日 : 2019年11月16日 6175pv 高野舞の姿の貞子は最後、自分を殺害しようとした陸田を殺害した後、ビルから転落し死亡して怨念も消滅する。, 安藤満男の妻美和子は原作と違い離婚しておらず、孝則を事故で失ったショックで記憶喪失になり精神病院に入院している。後に貞子に事実を告げられ逆上して満男を襲うが正気を取り戻し和解する。, 陸田博がかつて少年を集めて行った実験で看守役であった東健一(織田恭助)は、貞子と直接結託しており、囚人役の4人「織本弘明」「有田剛三」[注釈 13]「小山恭男」[注釈 14]「宮島敬助」の凶悪犯を利用してさらに4人の名前から1文字ずつ取り偽名に使用した。少年期の実験の際は囚人役の坂上順二、井上正和を同じく4人に殺害させる。東は貞子も体良く利用していたつもりだったが、彼女に自分の死の瞬間(事故による爆死)を予言されておりそれで彼もまた逆に利用されていたに過ぎなかった。, 1999年の韓国映画『リング・ウィルス』(朝: 링)では、山村貞子に当たる登場人物はパク・ウンソ(朝: 박은서)という名前に設定されている[96]。 [5]。, 本作の執筆は1989年頃のことで、当時まだデビュー前の小説家であった著者の鈴木は子育てをしながら執筆を開始した[6]。鈴木が常宿としていた埼玉県秩父郡小鹿野町の温泉旅館「宮本家」(後の大相撲幕内力士・剣武の実家)に通いながら執筆を続け、約1年かけて本作を完成させた[7]。, 1989年8月に[6]ミステリ小説賞である横溝正史賞に応募された[8]。その内容はオカルト要素の強い荒唐無稽な設定やホラー的な結末を用いつつも、全体的にはミステリやサスペンスの要素が強いものであったが[9][10]、狭義のミステリの定義には当てはまらないものであったために[8]、最終選考には残ったものの[6]、推理小説のための賞である横溝正史賞での入選は逃す。, 鈴木は本作の直後に執筆した『楽園』で日本ファンタジーノベル大賞で優秀賞を獲得したことにより作家としてのデビューを果たし、本作についても1991年にハードカバーの初版が出版された[8]。当初は派手な宣伝もされず大きな話題にもならず初版の発行部数も少ないものであったが、次第に口コミで評判が広がっていき、1993年に文庫本化されてからは大きく部数を伸ばした[8]。, 本作はシリーズ全4作で累計800万部を売り上げ[11]、近時の日本小説界の大ベストセラーとなった。, 犠牲者の死から始まる導入部はB級ホラーを想起させるものとなっている[8]。一方、1週間というタイムリミットが設定された中、前の犠牲者たちの悪戯によって消されてしまった「呪いを解くオマジナイ」を求めて奔走する中盤の構成はオーソドックスなサスペンスの筋立てになっている[9]。このとき主人公が物語の都合で愚かな行動を取ったりせず、情報収集と推論を駆使して呪いのビデオの来歴に迫っていくという構成には論理的な必然性があり、それが他のありふれたホラー作品と比べて際立った特徴になっている[8]。結末にはどんでん返しが設けられ、最後で読者をぞっとさせる構成になっている[9]。, 父親である主人公が家族を守るために利己的な決断を下すラストシーンには、父性を描こうとするリングシリーズ共通の、あるいは作者である鈴木の作品に共通するテーマが描かれていることを指摘する意見もある[12][13]。, 本作『リング』を発端とする一連のシリーズ作品は、続編『らせん』、完結編『ループ』及び関連エピソードによる短編集『バースデイ』、更に2012年からの新シリーズ『エス』、『タイド』の既刊6冊のシリーズになっている(通称「リングシリーズ」)。, 本作において不幸の手紙[14]にも例えられた「呪いのビデオ」の脅威とその正体は、続編『らせん』では人間に感染するウイルスの仕業として解明され、更にその続編『ループ』ではコンピューターウイルス的なものへと置き換わるなど、次第にホラー色が減退してサイエンス・フィクションの要素が前面に立った内容へと変化していく[15][16]。また『らせん』は前作『リング』を、『ループ』は前作『らせん』をそれぞれ否定し、作中で築き上げた物語の構図を自ら破壊するような構造が用いられている[17][13]。例えば評論家の大森望は、『リング』で描かれた恐怖が『らせん』で科学的に解体され、代わって提示された人類進化の神話が『ループ』で非神格化され相対化されていることを指摘している[17]。こうした特定のジャンルに安住することなく読者の予想を裏切り続ける姿勢は、前例のない未知の到達点に挑み続けたという文脈で評価される一方[8][13]、『ループ』に用いられている手法が大胆な禁じ手であることや、第1作に対する「恐怖小説」としての評価を否定する内容であったことも指摘されている[17][13]。, 作者の鈴木によれば、第1作『リング』を出版した時点で既に第2作『らせん』を出版する企画自体はあったものの、実際の内容は何度も書き直しを重ねたという[18]。また第2作『らせん』の執筆中には第3作『ループ』を書く予定はなかったと述べている[19]。, 本作は異なる配役やスタッフ、そして設定に差異がある状態で何度もテレビドラマ化、映画化されている。, 1995年には単発テレビドラマ化された。1998年には東宝の配給で『リング』『らせん』が同時に映画化され、後には韓国とアメリカ合衆国で映画版『リング』の内容に準拠したリメイク映画も作られている。さらに原作を離れてホラー路線を継承した映画オリジナルの続編『リング2』『リング0 バースデイ』が製作されている。映画『リング』の配給収入は10億円、『リング2』は21億円であった。また映画版で描かれた「TV画面から現れる『貞子の恐怖』」については様々なメディアで扱われ、パロディーなども多く作られた[20][21][注釈 1]。1999年には連続テレビドラマ『リング〜最終章〜』が放送された。, テレビドラマと映画、テレビドラマの第1作と第2作は、それぞれ設定も配役も異なっており、互いに繋がりのない作品となっている。, 自分の姪を含む、高校生の友人グループが怪死した事件を調査する雑誌記者・浅川和行は、1週間前に4人が伊豆の貸別荘に泊まっていたことを突き止める。別荘を訪れた浅川は、そこで奇怪な内容が映ったビデオデープを発見する。そのビデオには、不可解な映像の断片が記録されており、「これを見たお前は7日目のこの時間に死ぬ」という、死の宣告で締めくくられた。, 浅川は高校時代の同級生で、現在は論理学が専門の大学哲学科講師・高山竜司に相談する。浅川からコピーしてもらったビデオを見た高山は、これが単なる悪戯ではないことを悟り、二人は死が訪れる前にその呪いの謎を突き止めるため、奔走する事になる。そんな中、浅川の妻・静と娘の陽子までもがビデオを見てしまい、呪いにかかってしまう。, ビデオ映像の断片に登場した土地を調査していくうちに、千里眼を持っていた「山村志津子」という女性と、志津子の信奉者であり心理学者である伊熊平八郎との間に出来た娘である「山村貞子」の怨念により、ビデオに「念写」されたものであることが判明する。しかし貞子は既に死亡しており、現在は例の伊豆の貸別荘の床下にある古井戸の底に眠っていることを突き止める。, 「山村貞子の遺体を、井戸から引き上げて供養すれば、呪いは解ける」 ……そう考えた二人は井戸に潜り、水の底から「貞子の亡骸」を探しだした。その後、浅川はビデオを見てから1週間の期限を迎えたが死に至らず、呪いを免れることに成功したかに見えた……。, ところが、東京へ戻った高山は、彼がビデオを見てからちょうど1週間目の定刻に「謎の死」を遂げてしまう。高山に対する貞子の呪いは、まだ解けていなかったのだ。では何故、自分は死ななかったのだろうか…。その理由に気づいた浅川は、ビデオを見てしまった静と陽子を助けるため、妻子のもとに車を走らせるのだった。, 作中の登場人物である伊熊平八郎・山村志津子は、明治時代に起こった千里眼事件の関係者(学者・福来友吉、超能力者・御船千鶴子)がそのモデルであると言われている[22]。また、その千里眼能力者の中に高橋貞子という女性が実在していた事も、その関連を想起させるものがある[23]。1998年の映画版『リング』では、志津子の能力は作中で「千里眼」と形容されている。ただし作者は作品ができた後で、御船千鶴子の存在を知ったとのことである[要出典]。, 作中に登場する浅川和行や吉野賢三が勤務するM新聞社は、本社の所在地の描写などから毎日新聞社がモデルであるとも言われている[24]。, 怪異の発端として登場する貸し別荘「南箱根パシフィックランド ビラ・ロックキャビンB-4号棟」のモデルは、静岡県田方郡函南町に所在する「南箱根ダイヤランド」に実在する建物であると明かされている[25]。また作中では貸し別荘の床下にある、貞子の遺体が沈められている井戸のモデルは、鈴木が本作を書き上げた埼玉県の温泉旅館「宮本家」にある古井戸であるとされる[7]。, このほか、作中には山村貞子の故郷である伊豆大島、彼女が短い劇団員時代を過ごした東京都の四谷や南青山、浅川静の実家がある栃木県足利市など、物語の舞台として関東一円にある実在の地名が登場している。, 特に断り書きがない場合は原作での設定を記す。括弧内は『ループ』『バースデイ』で登場した際の表記。映画版での設定については「リング (1998年の映画)#登場人物」を、その他の映像化作品での設定については「山村貞子#映像化作品での貞子」も参照。演じた俳優については各映像化作品の記事や項目を参照。, 劇中における最初の犠牲者である4人の若者グループ。物語開始の1週間前、「南箱根パシフィックランド」の宿泊施設、ビラ・ロックキャビンB-4号棟に宿泊した際、貞子の怨念が念写されたビデオテープを見てしまい、物語冒頭で4人が同日同時刻において急性心不全で死亡した。後には続編『ループ』でもその時の様子について言及された。, 主人公である浅川和行や、その姪であり最初の犠牲者のひとりである大石智子の家族および親族。, なお、丸山雪野のナレーションで、Audibleにてデータ配信として2016年6月にオーディオブック化されている。, 1995年と1999年の2度に渡り、それぞれ設定や配役の異なるテレビドラマ版が製作された。, 1995年8月11日に『リング 〜事故か! 変死か! 4つの命を奪う少女の怨念〜』のタイトルで、フジテレビ系「金曜エンタテイメント」の枠で2時間スペシャルドラマが放映された。本編約90分。, 『リング』最初の映像作品。結末や高山の設定などごく一部分を除けばほぼ原作に忠実な映像化作品。ホラーに加えて謎解きサスペンスの雰囲気が強い作品となった。, 東都新聞社会部記者の浅川和行の妻静は妊娠中であり、故に子供(娘の陽子)は生まれておらず、また明城大学教授高山竜司は既婚者となり、妻殺しの容疑をかけられたのを浅川に助けられた過去がある設定となる。透視の研究を行っており、自身にもわずかに超能力者としての要素を持ち、高野舞との関係は先生と助手と強調されている。, 山村貞子は後年の映画版とは異なり、本作では原作どおりに「半陰陽者の美しい少女」として描かれ、悲劇的な運命故に世を呪うようになった薄幸の女性という経緯も再現されている。貞子を演じた三浦綺音は裸体を惜しげもなく披露し、「美しい殺人幽霊」を体当たりで演じた。また、呪いのビデオの内容も原作の描写をほぼ忠実に再現している。, クライマックスで貞子が、抱いていた赤ん坊を高野舞の胎内に挿入するシーンは、続編『らせん』の制作を連想させる演出だったが、本作の続編としての『らせん』は現在まで制作されていない。本作で脚本を担当した飯田譲治は、後に1998年の映画版『らせん』の監督・脚本を務めたが、この映画の設定やキャスティングは同時上映された映画版『リング』に準じたものとなっており本作との繋がりはない。, ビデオソフトは、プロデューサーの意向により放送時には無かったシーンを追撮し、『リング完全版』のタイトルで発売された。, 連続ドラマ版が『リング〜最終章〜』のタイトルで、1999年1月7日から3月25日までフジテレビ系の木曜劇場枠で放送された。全12話。平均視聴率19.9%。連続ドラマになったため、物語のヴォリュームアップが図られており、1話で1日分を描くという図式で製作されている。映画『リング2』公開と同時期に放送されたが、映画版や過去のドラマスペシャル版との繋がりはない。同年7月からは本作の設定や登場人物を引き継ぐ連続ドラマ『らせん』が続編として放送された。, 1996年1月から4月にかけて、TBSラジオの番組「角川ドラマルネッサンス」の枠でラジオドラマ版が放送された[50]。全12話。同年6月にはラジオドラマの内容を収録したドラマCDが『角川ドラマルネッサンス リング』としてポリスターより発売された。主人公の浅川透はラジオの人気パーソナリティと設定される。彼は事件の最初の犠牲者の最後を目撃することになる。 殺戮までには至っていない。動画配信サイトに呪いのビデオに類似した動画が映るものの呪いの効力があるかどうかは不明。 リングと言えば貞子、貞子と言えばリングと言っても過言ではないほどリングを象徴する存在である貞子というキャラクター。彼女の正体は一体どういう存在なのか?原作である小説、および映画それぞれの描写から貞子の正体を解説いたします。 貞子(2019)の映画情報。評価レビュー 782件、映画館、動画予告編、ネタバレ感想、出演:池田エライザ 他。鈴木光司のベストセラー小説「リング」シリーズの一つ「タイド」を原作にしたホラー。記憶を失ってしまった少女と向き合う心理カウンセラーの女性が怪現象に見舞われる。 映画版と原作小説版でも異なる点が多々ありますが シリーズを通して読んでも二転三転します。 「リング0バースデイ」の中に 伊熊平八郎自身が自分は貞子の父親ではないと語り 貞子は海から現れた異形の怪物から作り出されたという記述があります。 1998年公開の『リング』は配給収入10億円を記録した 『リング』を同時代で観てくれた世代にとっては、「そうそう!」と肯いてもらえるものを、観てはなくとも貞子の風貌、動きは知っているティーンたちには、「今度の貞子はここが違う、スゴい!」と驚愕してもらえるものを目指した。 「貞子が二人」って、なんじゃそれ?もう少し原作に忠実に作れよ。だいたいリングシリーズは原作から遠ざかれば遠ざかるほど駄作になっているような気がする。tvドラマ版然り。 ?「リング」コンビによる伝説のJホラー「女優霊」待望の初DVD化!, “監督:中田秀夫 脚本:高橋 洋 伝説のJホラー映画「女優霊」初DVD化決定! ジャパニーズホラーの代表格「リング」シリーズ。たくさんの作品がありますが、貞子はシリーズ・原作の枠を飛び越えて、様々な活動を行っています。そんな「リング」シリーズを総まとめ!ハリウッド版もあるし、ドラマ版もあるし、伽椰子とも戦うしで貞子大忙し! あなたがまだ知らない本当の貞子とリング. 「貞子」の原作となる「タイド」 口コミ を調べてみました。 ・貞子とその家族を中心とした話であり、今までのリングシリーズとは異なり呪いの対象が人類無差別ではなく、もっと個人的で貪欲なものであり、いやらしいものになってます。 映画「リング」の貞子は、その能力を恐れた父・伊熊平八郎によって頭部を殴られ、井戸に落とされて殺害されました。 原作小説では、貞子を殺害したのは父の入院していた療養所の医師・長尾城太郎です。 貞子の美しさに心惹かれ、療養所付近で強姦。 2作目では、彼女の邪悪な一面が分離した「イーブルサマラ」が登場。レイチェルやエイダンをテレビの中に引きずり込む。エイダン・ケラーに憑依し彼を操った。その際、他の人間を操作したりなどして呪殺する。, 『リング』シリーズは何度も映像化・リメイクされており、数多くの役者が山村貞子を演じた。また幼少期と青年期、あるいは過去と復活後の姿を複数の役者が演じ分ける二人一役での登場や、同一シリーズでも配役が変更される場合もあった。, 貞子の母親である山村志津子のモデルは、明治時代に実在した人物である御船千鶴子であると言われ[98][99][100]、『リング』の作中では千里眼事件を想起させる超能力実験の経緯が描かれている[101][2]。貞子という名前を、千里眼事件に関わった実在の人物である高橋貞子と関連付ける意見もある[102][103][99][6]。, 1991年に出版された『リング』よりも以前から広まっていた都市伝説、「カシマさん」との関連性を指摘する意見もある[104]。貞子がビデオテープを介して広まり、見た者を呪い殺すのに対し、カシマさんは噂を介して広まり、噂を聞いた者の元に現れて対象を殺害する[104]。, 1998年の映画版における貞子は、白い衣装を着た長い黒髪の女性という姿で描写されるが、これは古典的な日本の幽霊のイメージを反映させたものである[3]。また、映画版における貞子の描写には、監督の中田秀夫と脚本の高橋洋が1996年の映画『女優霊』で用いた手法や反省点が反映されており[3]、同作に登場する幽霊は、映画版における貞子の原型とも評される[105]。なお映画『女優霊』の内容には高橋洋が子供の頃、日本で1967年にテレビ放送されたアメリカ映画『シェラ・デ・コブレの幽霊』の予告編を目にした経験が反映されており[106][107][108]、これが映画版『リング』のアイディアにも影響を与えているとされる[107]。, 1998年の映画版における、貞子がテレビから這い出してくる映画版独自の描写は脚本の高橋洋が付け加えたものである[109]。テレビの中から怪異の主が現れるという描写に、1982年のアメリカ映画『ポルターガイスト』との関連性を指摘する意見もある[110]。, 貞子、そしてアメリカ映画版の貞子にあたるキャラクター「サマラ・モーガン」は、観客と映画評論家双方から好意的に評価されている。The Movie Bookは、貞子が日本のホラーの全てのジャンルに影響を及ぼしていると述べており、映画の中での幽霊神話的なイメージが人気を集めていると指摘している[111]。イギリスの映画評論家マーク・カーモードは、ホラー映画の最も怖い場面10選の7番目に、貞子がテレビ画面から這い出てくる場面を選出している[112]。このシーンは、チャンネル4が選ぶ「最も怖い場面100」の6位にもなった[113]。エンパイアのマーク・ダイニングは、サマラを映画界で最も「容赦ない、不合理な、手に負えない明白な悪役」の1人であると述べている[114]。, 1998年の映画「リング」で映画界に初登場した貞子は、あまりにも恐ろしくセンセーショナルなものだった。胸元まで伸びた長い前髪の間から片目のみを覗かせ、白目を剥いているという凄惨な姿は、その後のシリーズにも踏襲されるだけでなく[115]、1998年の映画がヒットして以降、テレビから這い出てくる映画版の貞子を題材にしたパロディや[4][5]、フィクションの登場人物に「貞子」という仇名がつけられているという設定の作品が国内外で多く登場している。貞子は、映画や原作小説といった垣根を超えたホラーアイコンとして大成功を収めた[115]。原作者である鈴木光司は、(映画版の)貞子のパロディーや物真似が広く浸透した理由について、貞子のキャラクターが明瞭ではなく、前髪を垂らして白い服を着れば誰でも容易に物真似ができるという、ハードルの低さも要因だったのではないかと推察している[116]。, 2003年にアメリカ合衆国で公開されたパロディ映画『最'狂'絶叫計画』に、呪いのビデオや貞子(あるいはサマラ・モーガン)が登場している[117]。2006年の映画『トリック劇場版2』、および2014年の映画『トリック劇場版 ラストステージ』では、映画『リング0』で山村貞子役を演じた仲間由紀恵演じる山田奈緒子が、貞子に似た動きをする場面がある。2015年にはDVD『ひきこさんVS貞子』が発売。貞子のような妖怪(ビデオの表紙のみ)が登場するが、実際に登場するのは千里眼事件に関わりの深い3人の超能力者(高橋貞子・御船千鶴子・長尾郁子)がモチーフの高村貞子、尾上千鶴子、長瀬郁子の亡霊(怨念)となっている。, 漫画にも影響を与えた。1999年から2000年にかけて連載された木多康昭のギャグ漫画『泣くようぐいす』では、呪いのビデオを見てしまった主人公の千石うぐいすが、1週間後にテレビから這い出ようとした貞子を背後からのキャメルクラッチで撃退するという場面がある。また2004年に公開されたFROGMANによるWebアニメ作品『菅井君と家族石』の第6話では、菅井家の人々が映画版『リング』と間違えて本物の「呪いのビデオ」を再生してしまい、テレビから這い出てきた貞子に睨まれるものの、返り討ちにして食べてしまうというエピソードが描かれている。2000年から2013年まで連載された奥浩哉の漫画『GANTZ』にも、長い前髪で顔を隠した「サダコ」という仇名の女性が登場する。恋愛感情を抱いた相手に告白しようとしているが、傍目にはストーカーのようにしか見えないという設定である。2005年から2017年にかけて連載された椎名軽穂による少女漫画『君に届け』では、主人公の黒沼爽子(くろぬま・さわこ)がその雰囲気や容姿から「貞子」という不本意な仇名をつけられるという設定が描かれた。この仇名は、同作のテレビアニメ版[118]や実写映画版[119]でも同作の基本設定として踏襲されている。アメリカの漫画アーティスト、ブランドン・サンティアゴは、タパスのウェブコミックシリーズ「Erma」のインスピレーションとしてサマラ・モーガンを引用している。2010年にWeb上で発表されたアメリカ合衆国のコメディ作品『アノーイング・オレンジ』の一編「The Onion Ring(オニオン・リング)」の回は、映画「リング」のパロディで、主人公のオレンジが貞子にあたる役を演じている[120]。, 2016年に中華人民共和国で、日本軍のフィルムから出現した貞子が中国共産党に入党して日本兵と銃撃戦を繰り広げる抗日神劇がつくられた[120]。, バラエティ番組や広告への影響もみられる。バラエティ番組『笑う犬』内のコント「レンタルビデオショップ『INUYA』へようこそ」にて、原田泰造が製作した短編集「わっか」では、呪いのビデオを見た原田がテレビから這い出てきた貞子を慰めるという描写の後、美女と化した貞子が原田の職場へ弁当を持ってくるシーンでストーリーを締めている。2018年には、横浜に本社を持つ家電量販店のノジマで、「最近、テレビから夜な夜な女の人が出てくるんです・・」と、貞子らしき人物がテレビから飛び出るイラストを描いたポスターが登場している。, リング - らせん - リング2 - リング0 バースデイ - 貞子3D - 貞子3D2 - 貞子vs伽椰子(クロスオーバー) - 貞子, 安藤満男、高山竜司、高野舞が身を置いていた大学と同名だが、安藤らが「ループ」世界の住人であるのに対し、この大学は上位世界に存在する大学である。, 物語冒頭で死亡した4人が宿泊し「呪いのビデオ」を見ることになった施設は、原作小説では「南箱根パシフィックランド」、1998年の映画では「伊豆パシフィックランド」となっており、名称に差異がある。なお原作者の鈴木によれば、この貸し別荘のモデルとなったのは静岡県田方郡, 作中では8月26日の日曜日、20時に放送されていたNHKの大河ドラマであるとしか書かれておらず、作品名には触れられていないが、現実の1990年に放送されていたNHK大河ドラマは『, 映画『らせん』における浅川陽一は、原作『らせん』における浅川陽子と同様に「ビデオをダビングして祖父母(映画では祖父のみ)に見せた」にもかかわらず、ビデオの結末が書き換えられていたために死亡するが(詳細は「, http://www.asahi.com/articles/DA3S11575587.html, http://www.cinemacafe.net/news/cgi/report/2011/08/11207/, 貞子の原型が登場!

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